革靴のお手入れは思っているより難しいことはありません。
人の肌と同じように扱って頂くことが一番のポイントです。
汚れを落とす
↓
乾燥しないよう潤いを与える
↓
コーティングして保湿力をキープし、雨や汚れを避ける
この3つのステップが基本となります。
お手入れの頻度は革の表情を見て頂くのが一番ですが、目安としては1ヶ月に一度、もしくは10回~15回履いたら、と言うタイミングが良いかと思います。
1.土埃など汚れを落とす
帰宅後は馬毛ブラシや柔らかい布で土埃や汚れを払って下さい。
目には見えなくても意外とあちこちに入り込んでいます。
付着したままにすると革の油分が吸われて乾燥が進みます。普段はこれだけでも比較的革の状態を長持ちさせることができます。
ササッと簡単にでも構わないので帰宅後のブラッシングを心掛けてみて下さい
ブラシは靴ベラと共に玄関に常備しておくと便利です。
2.お手入れに使用するもの
<汚れ落とし>
靴に付いた汚れや古くなったワックスやクリームを取り除きます。
これによりその後のオイルが気持ち良く浸透します。
靴クリームを使用しない場合はそこまでしっかりとしたクレンジングは必要ありまオイルでサッと表面を拭いてから次のステップへと
お進み下さい。
<オイル・乳液など>
革は油分だけでなく、適度な水分も補ってあげるとしなやかになります。
その点では乳液が適しています。
無色のものであればどんな色の革にも使用できます。
補色効果のある色付きのクリームは色褪せた革や小傷のカバーに適しています。
サンダルに関しては足裏の接地面にオイルを入れると滑りやすくなりますので、甲革のみお願いします。
<ワックス>
革の表面を蜜蝋などのワックス成分でコーティングします。
革に膜を張り、乾燥を防ぐと共に防水効果を高め、擦り傷から守ってくれます。
人肌のお手入れの最後の仕上げのクリームの効果です。
<艶出し>
土埃落としとは別に艶出し用の柔らかいブラシで磨き仕上げをするとキレイな光沢が得られます。柔らかい布で乾拭きしても良いです。
ワックスを使用しない場合は乳液の後にこの艶出しを行って下さい。
<シューキーパー(シューツリー)>
履きシワが深くなり乾燥させたままにするとそこがひび割れ、靴の寿命が短くなります。大切な靴にはシューキーパーをご用意頂くことを
お勧めします。
また、汗などの水分の乾燥のために靴は2日程度休ませて下さい。
その際にもシューキーパーが形を整えつつ乾燥させるのに活躍します。
3.濡れた時の注意点
基本的には雨の日の外出には適していませんのでご注意ください。
万が一濡れてしまいスポット状に染みが残ってしまった際には、硬く絞った布やスポンジでその周辺を広くぼかすように濡らして下さい。
その後ゆっくりと陰干しをして頂き、乾燥後オイルを入れて抜けてしまった油分を補います。
4.靴の保管に関して
保管時は高温多湿を避けて風通しの良い場所にお願いします。
箱に入れたまま、扉の閉まったままの下駄箱などに長期保管をしますとカビの原因となります。
又、ソールの劣化にも繋がりますので、時々様子を見て風通しをお願いします。
5.最後に
道具やケア用品は全て揃わなくても無理なく続けていただける事が一番です。
手入れをすると革が応えてくれるのでその様子が段々と愛しくなってくると思います。
経年変化や育っていく表情を是非楽しんで下さい。
ケア用品は当店でも取り扱っておりますのでお問い合わせください。
又、数年置きのヒールやソールの貼り替え、ステッチの縫い直し、インソールやクッションのお取り替えなど、各種メンテナンスはお気軽に
ご相談ください。
足のコンデションや革の変化による履き心地やお痛みがある場合の調整も随時受け付けております。
末永く共に年を重ねられますように。